『滅びの前のシャングリラ』読了

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『滅びの前のシャングリラ』  凪良 ゆう  著

−−− 明日死ねたら楽なのにと、Locoだったあたしはずっと夢見ていた。

その明日がついにやってくる。

あたしはしゃがみ込み、地面に手をついているポチを頭ごと抱きしめた。もうなにもできることはないのに、それでもあと十五日ばかりの間、あたしたちは呼吸をし、食事をし、排泄しなくてはいけない。ただ死ぬために。それにどんな意味があるのかわからないまま。

−−なあ、生きるってなんやねん。

あたしはその答えを、いまわのきわまでに見つけられるだろうか。( p310より )

 

読みはじめて最初の頃こそ、そんなぶっ飛んだ話…と思っていたけど、結局は読んでる時間はずっと「あと1ヶ月でみんな死んでしまうなんて…私はあと何をしよう?」と思い続けて、肩に力が入った状態でした。

「今」がある日突然終わってしまうかもしれないけど、きっとそうじゃない「今」は何て大事な日々なのだ、と思わされました。

大事でなくしたくないものは何か、改めて考えることができて感謝です。