『エレジーは流れない』読了

『エレジーは流れない』 三浦 しをん 著 −−−丸山は、怜が寿絵に話を切り出せないのは、より身近な存在だからだと言った。怜自身も、そうなのだろうと思っていた。自分のなかで、母親は、家は、寿絵であり餅湯商店街の「お土産 ほづみ」なのだと。 でも、ちが…

『医学のつばさ』読了

『医学のつばさ』 海堂 尊 著 −−−「加えて時風新報が『こころプロジェクト』に関する報道に本腰を入れるそうです。村山記者は以前、曾根崎君に言われたことをずっと気にしていたそうで、『今度は、邪魔する相手が首相だろうが米軍だろうが、真実を伝えてやる…

『月曜日の抹茶カフェ』読了

『月曜日の抹茶カフェ』 青山 美智子 著 −−− 待っていたのは私だけじゃなくて、本も一緒だ。それを富貴子が感じてくれたことが、嬉しかった。このあとタカハル君があの本とどんな豊かな時間を過ごすのだろうと思うと、ほんとうに満ち足りた気持ちになる。私…

『MR』読了

『MR』 久坂部 羊 著 −−−「ひどい患者がいてもやり甲斐を感じられるのは、先生が患者ファーストだからですか」 「何、それ。そんなこと、考えたこともないな」 即答だった。池野は次の言葉が見つからず、そのまま東原の前を辞した。 帰りの車の中で、池野は…

『そして、バトンは渡された』読了

『そして、バトンは渡された』 瀬尾 まいこ 著 −−−「いや。梨花の言うとおりだった。優子ちゃんと暮らし始めて、明日はちゃんと二つになったよ。自分のと、自分のよりずっと大事な明日が、毎日やってくる。すごいよな」 「すごいかな」 「うん。すごい。どん…

「野菜生活ファーム」に行ってきた!

夏休みの旅行のなかで、長野県諏訪郡にある「野菜生活ファーム」へ行ってきました。 ここ限定パッケージの野菜生活がかわいい〜 ^ ^ お盆の次の週の平日、コロナ禍ということもあってか、あまり混雑もなく希望の体験コンテンツにスムーズに申込・参加できまし…

『滅びの前のシャングリラ』読了

『滅びの前のシャングリラ』 凪良 ゆう 著 −−− 明日死ねたら楽なのにと、Locoだったあたしはずっと夢見ていた。 その明日がついにやってくる。 あたしはしゃがみ込み、地面に手をついているポチを頭ごと抱きしめた。もうなにもできることはないのに、それで…

『お探し物は図書室まで』読了

『お探し物は図書室まで』 青山 美智子 著 −−−いつのまにか繋がっていた見えない糸をたぐりよせるように、僕たちは動き続ける。やることはたくさんあるけど、「時間がない」なんて言い訳はもうよそうと僕は思った。「ある時間」で、できることを考えていくん…

『ハック大学式 最強の仕事術』読了

『ハック大学式最強の仕事術』 ぺそ 著 ●「社内評価」は上司や会社の評価を気にしなくて良い ・会社や上司からの評価は、転職や人事異動でリセットされる ・市場から評価される人材を目指す ・労働市場は海であり、キャリア構築は航海である ・船の中しか見…

『夜明けのすべて』読了

『夜明けのすべて』 瀬尾 まいこ 著 −−−「薬、減らして大丈夫でしょうか?」「一気にではなく徐々にやればいいし、できなきゃ、また元に戻せばいいだけだからね」医者はさらりと言った。断薬はつらいし、一度失敗すると苦労する。そういう話は、ネットの情報…

『THE やんごとなき雑談』読了

『THE やんごとなき雑談』 中村 倫也 著 −−−救いとなったのは、「諦める」ことだった。高望みを、諦める。人に理解してもらいたいと作った、美化した自分を諦める。その場しのぎで不安を取り繕い、誤魔化すことを諦める。無駄に人と比較しては落ち込む弱い自…

『スモールワールズ』読了

『スモールワールズ』 一穂 ミチ 著 −−− 『温泉泊まった翌朝、手術の話になったろ。「俺のをやれたらいいんたけどな」って。まじ笑うんだけど、あの瞬間、俺、許しそうになった。もういいやって思いそうになった。だって親の言葉だったもん。病院で子どもが…

『京大 おどろきのウイルス学講義』読了

『京大 おどろきのウイルス学講義』 宮沢孝幸 著 −−−現在、新型コロナウイルスを巡って世論が割れています。割れているたけならまだしも、意見が異なる者同士がお互いいがみ合っているところもあります。私はそのことをとても悲しく思います。この時期に、こ…

『52ヘルツのクジラたち』読了

『52ヘルツのクジラたち』 町田 そのこ 著 −−− 穏やかな光の差し込む図書館の窓際で、声をあげて泣き出しそうになった。これは、わたしだ。わたしの声は、誰にも届かない52ヘルツの声だったんだ。 でもわたしはちゃんと声を聞いてくれたひとに出会えた。アン…

本当のことを知るには。

コロナ禍になってから、新型コロナ関連の報道から目が離せなくなった。 それと同時に、自分が知りたい情報はこれなのかな?と思うことも増えてきた。 そうするとネットやSNSで検索するようになる。 YouTubeがオススメしてくれる動画にも、そういうものが増え…

フキサチーフ

フキサチーフとは…。 絵画ががスレたり色あせたりしないように、最後に吹きつける定着液のことなのだそう。 「フキサチーフ」というタイトルの松下洸平さんのエッセイ連載が、雑誌『ダ・ヴィンチ』ではじまった。 そのタイトルに込められた意味にすごく共感…

『流浪の月』読了

『流浪の月』 凪良 ゆう著 −−− 女性の警察官が梨花ちゃんの手を取った。わたしはとっさに反対の手をつかんだ。どれだけ強くつかんでも、この手は離れる。わかっているのにつかんだ。幼いわたしの手を、文はしっかりとにぎってくれた。この世界のどこかに、わ…