『スモールワールズ』読了
『スモールワールズ』 一穂 ミチ 著
−−− 『温泉泊まった翌朝、手術の話になったろ。「俺のをやれたらいいんたけどな」って。まじ笑うんだけど、あの瞬間、俺、許しそうになった。もういいやって思いそうになった。だって親の言葉だったもん。病院で子どもが苦しんでんの見て、代わってやりたい、自分の心臓とか手足をあげたいって泣く親と一緒で、嘘がなくて真剣だった。だから、それはありがとう。……いや、もらってもいらねえけど』
そうか適量じゃなくてもいい時がある。叶うことのない願いや祈りなら溢れても大丈夫だった。そして叶わない願いが無力だとは限らない。(p258 愛を適量 より)
読みながらゾクッとしたり、フワッとあたたかい気持ちになったり。
ぐるぐると考えをめぐらせながら読みました。
読み応えのある作品たちです。