『52ヘルツのクジラたち』読了
『52ヘルツのクジラたち』 町田 そのこ 著
−−− 穏やかな光の差し込む図書館の窓際で、声をあげて泣き出しそうになった。これは、わたしだ。わたしの声は、誰にも届かない52ヘルツの声だったんだ。
でもわたしはちゃんと声を聞いてくれたひとに出会えた。アンさんが、仲間のいる世界に助け出してくれた。それだけでしあわせだと思えたあの時のことを、忘れちゃだめだ。声が届いた喜びを、忘れちゃだめだ……。
「それからかな。クジラの声を聴くと気持ちが穏やかになって、ぐっすり眠れるようになったんだ」(p116より)
いろんなことがつめ込まれていて、自分の中にきちんと落としこみたくて、2回読んだ。
わたしとしては珍しいこと。
最後は涙をこらえながらじっくりと噛みしめて読みました。